LONG ISLANDで買って

地下トンネルが開通し、アウトレットがあり、ビーチがあって、何より海がある。

どこか立地も歴史もLONG ISLANDと似ているが、本来なら東京都民にとってのLONG ISLANDになるはずの場所は本家本元のLONG ISLANDとは異なり全く人気がない場所である。

１兆５０００億円を投じて１９９７年に開業したアクアラインは神奈川県川崎市と千葉県木更津市を結ぶ。

開業当時は１日６万５千台の交通量を見込んでいたらしいが、建設費回収のために通行料が４０００円という事もあり、大型公共事業恒例の見通しの甘さから、開業当初の交通量は１日１万数千台ほどの交通量であったと言われている。

どうでも良いが、東京オリンピックのスタジアム建設から始まり、大阪万博もおそらく予定通りの見通しの甘さから、後年失敗の烙印が押されることになると思うが、最近、これらは見通しの甘さではなく、大人の都合の予定通りの数字なのではないだろうか。と思うようになった。現在開催中の大阪万博であるが、関東に住んでいると既に開催しているのか、これから開催するのかどっちなのであろうか？ぐらい情報は流れてこない。

そうでないと、僕よりはるかに頭の良い人が大勢集まって、僕でも計算できそうな算数を幾度も幾度も間違える理由を見出せないからである。

往復すると８０００円、その料金を払ってこの地下トンネルを利用する人が多くない事は小学生でもわかる計算である。

そんなアクアラインの料金も、「俺は男だー」と叫びながら、竹刀を振り回していた森田健作前知事により通行料金が８００円となると、１日平均６万台の交通量となったが、おそらくこのブログを読んでいる人がご存命の間は、建設費を回収するのはなんの根拠もないが不可能なような気がしている。

そんな木更津から鴨川までの４５分ほどのドライブはとても楽しめる物であった。

大山千枚田と呼ばれる地元では見れないような景観を楽しんだり、一人山奥でヤギの乳製品を作っている仙人みたいなおじさんと会話を楽しんだり、、、、ピントが全然あってないではないか笑

つまり、鴨川の山奥でヤギの乳で出来たチーズケーキとアイスコーヒーを頼んだ。

オーダーしてから、５分、１０分。「すいません。チーズケーキがまだ固まってなくて」

この５分、１０分の時間がなんであったのかよくわからなかったが、申し訳ないのでソフトクリームタダで良いです。と言われてみたり、おそらく５分、１０分待たせてからの提供出来ません。への申し訳なさからの無料ソフトクリームという事なのだろうが、今日はそんな無駄な時間を楽しみに来ているのである。

タダでソフトクリームをいただけるのは嬉しいが、それはそれで申し訳ないのでお金払います。というよくわからん押し問答をしてみたり。

大金が頭上を飛び回る湘南では見ることができない光景である。

何より、僕が嬉しかったのが木更津から鴨川までの信号の少なさである。道路沿いには大人の女性が好きそうな小洒落たお店はないが、ドライブをするには最高である。何より、延々と続く渋滞もなければ、長い信号待ちでイライラする事もない。

全く、僕の人生で縁がなかった鴨川。

一瞬で僕は恋に落ちた。

何より、自宅からアクアラインを通れば１時間半で来ることが出来るし、僕が恋焦がれている静かな海がある。

そんなLONG ISLANDであるが全く何もない。という事はなく、それなりに色々とVACATIONを楽しむ事ができるお店もあるが、家を出て１時間半後に口にしたのが太平洋の大海原で自由を謳歌している最中に、誤って網にかかり僕に食べられてしまう鯵である。

鴨川で有名な食べ物と言えば金目鯛とアジフライ。どうやら夕飯に金目鯛を口に出来るらしいという事で、アジフライをチョイスしたが、肉厚のサクサクとした食感は、相模湾で泳いでいる彼らとは違った。

そこに来てのエビフライ、イカのフライも格別であった。

静かな海と美味しいランチを楽しんだ後は、３時のおやつと行きたいところであるが、それもこの地は十分に満たしてくれる。

湘南みたいにお洒落なお店が乱立している。というようにはいかないが、丸の内女子だって満足するであろう、幾つかのスイーツのお店を巡り、バウムクーヘンとプリンを購入した。

バウムクーヘンは１５時のおやつでプリンは食後のデザートである。

波の音と風の音が耳に妙に心地よい。

ガキの頃に聞いた、記憶に残る微かな音がこのLONG ISLANDではまだ聴く事ができた。