LONG ISLANDを探して
ミーン、ミン、ミン、ミンという声が外から響き渡る季節となり、もう窓など絶対開けてやるもんか。という決意の季節となりましたが、この夏、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
もうリゾートへと行って来たよ。という方もいれば、これからどこかのプールを家族で満喫してくるよ。という方もいるかと思いますが、僕は僕のLONG ISLANDを探しに、ある場所を訪ねてきました。
10年以上前であったように記憶していますが、「華麗なるキャッツビー」というレオナルドディカプリオ主演の映画があったのを覚えているでしょうか。
社会的階級の不平等や理想と現実の矛盾を描いたこの映画は、若かった僕に現実の厳しさを教えてくれた映画であったのかもしれません。
その舞台がLONG ISLAND。
裕福なニューヨーカー達が週末に過ごす場所であったり、そのエリアに勤務する富裕層達が多く住むエリアとして知られ、JFK国際空港があり、20世紀に入り地下トンネルが開通され、アクセスの良さが際立つようになると、ニューヨーク州のちょっとおしゃれで高級な場所として知られるようになった場所である。
そこにはアウトレットがあってショッピングが楽しめたり、いくつかのワイナリーがあったり、乗馬やビーチ、疲れた体を癒してくれる多くの自然がある。
そこにきてニューヨークへのアクセスの良さが付いてくれば、富裕層に人気がないほうがおかしいという場所である。
実は日本にもよく似たエリアは存在し、東京在住の富裕層が週末に過ごす場所であったり、東京への通勤も可能なエリアとして知られているのが湘南である。湘南は、ひょっとすると日本のLONG ISLANDなのかもしれない。
ただ、ここ数年の鎌倉から藤沢、茅ヶ崎へと続く海岸線沿いは、グラサンをかけてオープンカーで風を感じるという光景とはほど遠く、週末になると、グラサンをかけてオープンカーのハンドルを握ったまでは良いが、渋滞に巻き込まれ灼熱地獄の熱風の中、せっかくのデートも台無し状態となる湘南へと変わってしまった。
そこには僕が子供の頃に過ごした湘南の姿はもうなく、近隣エリアの人にとってはちょっとウンザリする湘南に変わってしまったのかもしれない。
何より、海岸線沿いの海が見える場所に自分だけの隠れ家が欲しいなんてのは夢のまた夢。もう世田谷に1軒屋を建てた方が安いのではないだろうか。と思うほど国道沿いの海を望む土地は高騰し、一部のミュージシャンや大きな会社の創業者でもない限り、そこに住む事は許されない場所となってしまった。
そんな子供の頃に過ごした場所にウンザリしている僕は、この夏、僕のLONG ISLANDを探しに行く旅に出ることにした。
(引用元アクアライン木更津金田料金所NEXCO東日本)トンネルを抜け、360度見渡す限りの海が見える橋を渡ると、そこはとても静かな場所であったのです。